
こんにちは!保育歴15年の元保育士りんです。
突然ですが、「病院が苦手…」「お医者さんがこわい…」そんな気持ちを抱えている子、意外と多いんです。

「先生〜、お医者さんこわいよ〜」
保育園でも、内科検診や歯科検診の前になるとと、何日も前から登園しぶりが見られる子もいました。
そんな時に役立つのが「絵本」の力📚
今回は、「お医者さんって怖くないんだ!」と子どもたちが安心できる、保育現場でもよく読み聞かせをしていた絵本を3冊ご紹介します。
- わにさんどきっはいしゃさんどきっ
- ねずみのおいしゃさま
- かぜひきころわん
子どもたちが、喜んでみてくれたものを紹介します。絵本選びの参考になれたら嬉しいです。
「お医者さんは怖くない!」病院が苦手な子におすすめ絵本3選
📚わにさんどきっはいしゃさんどきっ

作 | 五味太郎 |
出版 | 偕成社 |
ページ数 | 32ページ |
初版年月日 | 1984年4月 |
対象年齢 | 3才から |
偕成社さん公式HPで、絵本の立ち読みが出来ますよ♪
よければご覧になってみて下さい。
「わにさんどきっはいしゃさんどきっ」絵本の内容
虫歯の治療にやってきたわにさんと、治療する歯医者さん。
実はおたがい「どきっ」としている気持ちは一緒!
同じセリフでも、わにさんと歯医者さんでは違う思いがこめられていて、ユーモアたっぷりのやり取りが展開されます。
「わにさんどきっはいしゃさんどきっ」絵本の魅力3選

①シンプルな言葉で、ふたりの気持ちが伝わる!
患者のわにさんと、治療する歯医者さんが、同じセリフを交わすユニークな構成。
同じ「どきっ」でも、わにさんは「こわい…」、歯医者さんは「おそるおそる…」というように、絵や表情から気持ちの違いが読み取れます。
②子どもと一緒に声に出して楽しめる♪
セリフはくり返しが多く、リズムが心地よいので、小さな子どもも口ずさみやすい内容です。
親子で役を分けて読んでも楽しいですよ♪
③思わず笑っちゃう、やさしいイラスト
「わにさんが歯医者に行くのがこわい…でも歯医者さんもわにさんがこわい!」そんな予想外のやりとりが笑いを誘い、共感もしやすいお話です。
五味太郎さんらしい、レトロでかわいらしいイラストも魅力。
子どもたちの反応
保育園では、歯科検診前によく読みました。

「先生~、歯医者さん怖いよ~だってキキキーって怖いんだ…」
歯医者経験がある子が特に怖がっていました。しかし、この絵本を読むと…
「あれ?歯医者さんも怖いって思うの?!」と、自分たちと同じ気持ちなんだ‥と安心した様子でした。

絵本を読む前よりも、検診に前向きになってくれる子が多かったです✨
📚ねずみのおいしゃさま

作 | なかがわ まさふみ |
絵 | やまかわ ゆりこ |
出版 | 福音館書店 |
ページ数 | 28ページ |
初版年月日 | 1977年04月01日 |
読んであげるなら | 3才から |
自分で読むなら | 小学低学年から |
※「ぐりとぐら」シリーズの”やまわきゆりこさん”の作品ですね♪
「ねずみのおいしゃさま」絵本の内容
大雪が降る夜、ねずみのお医者さまのもとに、リスさんから「ぼうやがかぜをひいて、ねつをだしていますから、すぐきてください」と電話が入ります。
心配する奥さんに見送られ、スクーターで出発。
途中、雪に埋もれたりカエルの家で眠ってしまったりしながらも、最後には患者さんのもとへ…。
温かさとユーモアがつまったお話です。
「ねずみのおいしゃさま」絵本の魅力3選

①やさしさに包まれた、のんびり絵本
『ねずみのおいしゃさま』は、大雪の夜に往診に出かけるねずみのお医者さんのお話。
田舎の風景や、家族・動物たちの思いやりが丁寧に描かれていて、読んでいるだけで心があたたかくなります。
②のんびりドジな展開に思わずにっこり
途中でスクーターが止まったり、冬眠中のカエルの家で眠ってしまったり…ちょっぴりドジだけど温かいストーリー展開。
一生懸命な姿に、子どもたちも思わず応援したくなります。
③イラストの細部までたのしい!
『ぐりとぐら』のやまわきゆりこさんのイラストが、物語をより魅力的に。
雪の景色・埋まっていく姿、晴れた朝の様子、細かい描写も楽しく、何度でも読み返したくなる一冊です。
子ども達の反応
雪の日の夜に電話一つで患者さんの所に出かける姿、お医者さんの優しさに感心してみていた子ども達。

「夜なのに、お家に行くの?!」
ちょっぴりドジな所もあるねずみのお医者さんの様子に、笑ったり親しみを感じたりしていました。
内科検診などの前に読み聞かせをすることが多かったですが、子ども達は「お医者さんって優しいんだね」と感じることが出来たようです。

少し長めのお話なので、3歳以上のお友達からおすすめです。
📚かぜひきころわん

作 | 間所ひさこ |
絵 | 黒井 健 |
出版 | ひさかたチャイルド |
ページ数 | 24項 |
対象年齢 | 2.3才から |
全国学校図書館協議会選定図書
「かぜひきころわん」絵本の内容
「ハクシュン!」とくしゃみがでているけれど、お友達と遊びに行ったころわん。
おうちにかえったころわんは、ぐったり…お母さんも心配そう…ぐったりしているころわんの所に自転車に乗ったお医者さんが来てくれて、注射で治してくれます。
そのあと、ころわんはお友だちに体験をうれしそうに話してあげるのでした。
「かぜひきころわん」絵本の魅力3選

①小さな不安を乗り越える、やさしいストーリー
風邪をひいた子犬・ころわんが初めてお医者さんで注射を受けるお話。
ころわんの不安や心細さがしっかり描かれており、子どもたちが自分の気持ちと重ねやすく共感しやすい内容です。
②ころわんの愛らしさ、温かなイラスト
ころわんは、愛らしいキャラクターで親しまれています。
黒井健さんのやわらかなイラストが、物語のやさしさと安心感を引き立て、読んでいるだけでほっこり。
③「怖い」気持ちを乗り越えるきっかけに
風邪や注射といった小さな「こわいこと」に向き合い、乗り越える過程が描かれており、子どもたちの気持ちにも寄り添ってくれます。
子どもたちの反応
ちょっと風邪気味なのに、遊びに出かけて風邪をひいてしまったころわんをみて「ああ~やっぱり風邪ひいちゃったよ~気を付けないとね」と思える年長さん。
ころわんが、はじめてのお医者さんを怖がらず最後にはお友達に嬉しそうに話しかける姿をみて、共感、安心する様子が見られました。
「ころわん、お医者さん怖くないんだね…」「お医者さんって優しいんだね」をほっとしたようでした。
まとめ|お医者さんが苦手な子どもに、そっと寄り添う絵本たち

「お医者さんこわい…」「注射こわい…」そんな気持ちは、決して珍しいことではありません。
でも、今回ご紹介した絵本を通して、「自分と同じ気持ちなんだ」「お医者さんって、やさしいかも!」と子どもたちが思えるきっかけになるはずです。
保育園でも、検診の前に読むことで子どもたちが安心し、少し気持ちが軽くなる様子がよく見られました。

お医者さんが苦手なお子さんに、ぜひ読んであげてください。
絵本選びの参考になればうれしいです♪
