「小学校って、いろんなお友達がいるんだね」
そんな気づきを持つ子が、年長さんの中にも増えてきています。特に就学時検診後の子ども達は、小学校への期待と不安、新しい知らないお友達(将来の同級生)に興味関心が強くなります。
最近では、発達に特性のあるお子さんや、ちょっと個性のある子どもたちも、普通学級で一緒に過ごすことが増えてきたようです。
それは素晴らしいことでもある一方で、「なんであの子は泣いて部屋から飛び出すの?」「ちょっと苦手かも…」と戸惑う子もいると思います。(保育現場はそうでした)
そんな時、子どもの心にそっと寄り添い、“相手の気持ち”をやさしく伝えてくれる絵本が『友だちのこまったがわかる絵本』(金の星社)です。
保育士として15年間現場にいた私が、「これは、小学生だけでなく、小学校を控えた年長さんにもぜひ読んでほしい」と思った絵本です。
お家時間の絵本選びのヒントになれたら幸いです。
「友だちのこまったがわかる絵本」絵本の基本情報


編・著 | WILLこども知育研究所 |
監修 | 赤木和重 |
出版 | 金の星社 |
初版年月日 | 2022年9月 |
対象年齢 | 小学校低学年から |

対象年齢が、小学校低学年からになっていますが、私個人的には「年長さん」もしっかり理解し読める内容になっていると思います。
あらすじ|“ちがい”に気づいた時、子どもたちはどう感じる?

この絵本には、こんな“ちょっと気になる困ったを抱える”お友達が登場します。
そんな子たちと関わった時、「なんでそうなるの?」「自分とはちがう…」と、戸惑いを感じる場面もあるかもしれません。
でも、絵本ではそんな子たちの「ココロの声」や「気持ち」をわかりやすく紹介してくれています。

「自分とちがうって、そういうことなんだ」

「もしかしたら、◯◯くんも困ってたのかもしれない」
そんなふうに、子どもたちの心が少しずつ広がっていくような、あたたかい内容です。
元保育士として感じた|この絵本が必要とされる今
私は保育士として年長クラスを担任した時、最近の小学校の先生からこんな言葉を聞いたことがあります。
「最近は、支援が必要な子が増えています。子どもの特徴として、攻撃性(周りの人に暴力をしてしまうこと)が強くなければ、普通学級で過ごす子も多いんですよ。」
実際、保育園でもいろんな個性をもった子が増えてきており、子ども同士でも「どうしてあの子は?」という場面があります。
子どもたち自身も、それぞれ考え行動し関りを持って過ごしていますが、そんな時に大事なのは、「相手を思いやり、受け止める力」と「ちがいに気づき、理解しようとする心」だと思っています。
この絵本はまさに、「どうしてそうなるの?」と考えるきっかけを与えてくれる一冊です。
また、「自分でも気づかないけどモヤモヤする…」そんな子が、自分の気持ちを言語化、気付くことが出来るきっかけになるかもしれません。
親子で読むのがおすすめ|会話を通して育つ“思いやり”

『友だちのこまったがわかる絵本』は、ぜひ親子で一緒に読んでみてほしいです。
たとえば…
そうやって、会話をしながら読むことで、“他の子の気持ち”に想像が届くようになります。
お友達はどんなことを考えているのか?ちょっと想像してみる
小さい子どもでも、自分とは違う誰かの気持ちを想像できること、これからの学校生活や人間関係の土台になると思います。
こんな子・ご家庭におすすめです


是非一度、親子で読んでいただきたいです。
まとめ|ちがいを知るって、やさしくなるってこと

この絵本には「みんなちがってあたりまえ」というメッセージが込められています。
でもそれを、やさしい言葉とイラストで、子どもたちの目線に合わせて伝えてくれているところが素晴らしいなと思いました。
『友達のこまったがわかる絵本』は、そんな大切な“心の土台”を育てるきっかけになる絵本です。
ぜひ、親子で読んでみてください♩

