
こんにちは!保育歴15年の元保育士、りんです。
最近、「非認知能力(ひにんちのうりょく)」という言葉をよく耳にしませんか?

「なんだか難しそう…」「うちの子にどう関係あるの?」
実は、子どもの成長や将来に深く関わる、とても大切な“心の力”なんです。
でも、専門的な話ばかりでピンとこない方も多いですよね。
そこでこの記事では、15年間の保育経験を通して見てきた子どもたちの姿や、日常でできる育て方をやさしく解説します。
難しい専門用語は抜きにして、わが子の「やってみたい!」という気持ちを伸ばしたい──そんなご家庭に向けて、やさしくわかりやすく解説していきます。
一緒に非認知能力について理解を深めていきましょう!
非認知能力ってなに?わかりやすく説明します

非認知能力とは?わかりやすく解説!
非認知能力(ひにんちのうりょく)とは、テストの点数では測れない「心の力」のことです。
子どもが豊かに生きていくために、土台となる力とも言えます。
たとえば、こんな力があります:
いずれも「IQ」や「テストの点」では見えにくいけれど、人生を前向きに歩むために欠かせない力です。
認知能力との違いは?
能力の種類 | 内容 |
---|---|
認知能力 | 読み書き・計算など、テストで測れる“見える力” |
非認知能力 | 性格・意欲・やり抜く力など、“見えにくいけど大切な力” |
どちらか一方ではなく、バランスよく育てることが大切です。
非認知能力が子どもの将来に大きく影響する理由

非認知能力は、文部科学省やOECD(国際機関)でも注目されており、「これからの時代に欠かせない力」とされています。
実際に、非認知能力が高い子どもは…
…といった傾向があり、人生を前向きに切り開いていく力の土台となっています。
なぜ今、非認知能力が注目されているの?
現代は「VUCA(ブーカ)」と呼ばれる、先の読めない時代。
だからこそ、テストの点よりも「考える力」や「人と協力する力」が大切になっています。
たとえば、「ペリー就学前プロジェクト」という有名な研究では、
幼少期に遊び中心の保育を受けた子どもたちは、大人になってから…
という結果が出ました。
しかも、IQの差は時間とともに消えていたのに、こうした差は続いていたんです。
この違いは、「非認知能力がしっかり育っていたから」だと考えられています。
非認知能力が育まれる「遊び・絵本」
子どもたちは、日常の中でさまざまなことを感じ、考えながら「非認知能力」を育んでいます。ここでは、幼児期におすすめの遊びや、心の力を育てる絵本をご紹介します♪
幼児期におすすめの遊び9選
非認知能力を育てるためには、「遊び」がとても大切。
保育現場でもよく見られる、効果的な遊びを9つご紹介します✨
あそび | 身につく事 |
---|---|
①ごっこ遊び (お店屋さん・お医者さんなど) | 想像力・社会性・コミュニケーション力 |
②お絵かき(自由に描く) | 創造力・思考力・発想力 |
③工作(紙・粘土・リサイクル素材など) | 手先の器用さ・集中力・創造性 |
④絵本の読み聞かせ(習慣にできると◎) | 想像力・共感力・集中力 |
⑤パズルや積み木あそび | 論理的思考・忍耐力・空間認知力 |
⑥音楽遊び(歌・楽器あそび) | 表現力・リズム感・協調性 |
⑦ボードゲーム・カードゲーム | 思考力・戦略力・社会性 |
⑧水遊び・泥遊び | 好奇心・感覚統合・応用力 |
⑨自然観察(虫・植物・石探しなど) | 探究心・問題解決力・発見の喜び |
【実体験】積み木遊びの中で見えた“心の育ち”
保育園でも、子どもたちが遊びの中でぐんぐん成長していく姿をたくさん見てきました。
積み木遊び中の出来事…▼
ひとつの遊びの中でも、こんなにたくさんの“心の動き”や“考える力”が育まれているんです。

遊ぶことは、子どもにとって最高の学びなんですね♪
📘参考資料:東京大学大学院教育研究科付属|発達保育実践政策学センター
「非認知能力の育ちを支える幼児教育 園の取り組み事例集78」▼

この資料は保育士向けですが、非認知能力がどのような遊びや関わり方で育まれるのか、丁寧に解説されています。事例も78個掲載されていて、子どもを育てるヒントがたくさん詰まっていますよ。

私も改めて「子どもたちにはたくさん遊んで、自分で考えられる力を育ててほしい」と感じました。
「心の力」が育まれる絵本4選
絵本の世界に親しむことでも、子どもたちの「心の力=非認知能力」はぐんと育ちます。
いろんな気持ちに出会い、共感したり想像したりする経験は、子どもたちの“土台”になるんです。
📚『どうぞのいす』(優しさがテーマ)
うさぎさんが野原に置いた「どうぞのいす」から始まる、やさしさのリレー。

動物たちの「どうぞ」の優しい気持ちが、心を温かくしてくれます。
📚『できるかな?あたまからつまさきまで』(チャレンジ心をくすぐる)

保育現場でも、絵本、ダンス共に楽しんでいました♪
ちょっと難しいポーズもありますが、出来たときの「やった!出来た!」気持ちが嬉しいですね♩
📚『しんせつなともだち』(思いやり・共感)
『しんせつなともだち』は、ひとつのかぶを通じて動物たちの優しさがリレーのように繋がり、最後にまた優しさが自分に返ってくるという、やさしさの連鎖を描いた名作絵本です。

相手の事を思いやる気持ちを知ることが出来ます♩
📚『カラーモンスター』(自己理解)
『カラーモンスター』は、子供たち自身が「どうして泣いちゃうんだろう…」「どうしてイライラするの?」という自己理解につながる作品です。
絵本「カラーモンスター」について詳しくは、こちらからご覧ください▼
『カラーモンスター』の魅力!子どもが感情を理解できるおすすめ絵本

「私は、青い色なんだよ先生…」と絵本を読むことで自分の気持ちに気づくことが出来たこもいました。
「気づくことが出来る」このことが出来たら、素晴らしいです✨
知育玩具の活用してみる

知育玩具は、非認知能力を伸ばすためのとても頼りになるアイテムです。
子どもの成長や好みに合わせて個別にプランを組んで選んでくれる知育玩具のサブスクもあります。こちらから、ご覧ください▼

知育玩具を取り入れて、楽しく学びながら非認知能力が育つといいですね✨
保育の現場でも「非認知能力」を大切にしています

保育園では「ことばを教える」「ひらがなを覚える」などの学習的な面だけでなく、日々の遊びや生活を通して、自然と“非認知能力”が育つような関わりを大切にしています。
たとえば…
私が出会ったある子も、最初は怒るとすぐに泣いてしまい、遊びを途中でやめてしまうことがありました。
でも、周囲の大人が気持ちに寄り添いながら「もう一回やってみようか」と繰り返し声をかけていくと…

「もう一回やってみる!」
半年後には、自分からそう言えるようになっていました。
このような変化はテストの点数のように“数値”では見えませんが、確実に「生きる力」として育っているんです。
非認知能力ってどうやって育つの?
この力は、「こうしなさい」と教えて育つものではありません。
子どもたちは、遊びや日常生活の中でさまざまな気持ちを経験し、周囲の人と関わりながら、自然と“心の力”を育んでいくのです。
たとえば…
「やってみたい!」という気持ちがつまった“遊び”こそ、非認知能力(=心の力)を育てる原動力です🌱
非認知能力を育てる「3つの視点」

非認知能力を、大きく3つの視点からお伝えします。
① 自己にかかわる力
② 社会性にかかわる力
③ 支える基盤

これら3つの力はバラバラに育つのではなく、重なり合いながら、子どもたちの「心の力」となっていきます。
非認知能力を家庭で育てるには

子育ての中でも、ちょっとした関わりで非認知能力を育てることができます。
そのカギは、「安心して自分らしくいられる環境」をつくること。
以下のようなポイントを意識してみてください😊
① 「できたこと」に目を向ける
失敗よりも、「がんばったね」「自分で考えたね」と過程を認める声かけをすると、自信につながります。
② 小さなチャレンジを応援する
うまくいかなくても「やってみたこと」が大切!
失敗も経験のひとつとして、一緒に振り返ってみましょう。
③ 感情に寄り添う
「悔しかったんだね」「イヤだったんだね」と、
気持ちを受け止めてもらえることが、感情コントロールの第一歩になります。

子どもが「自分らしくいていいんだ」と感じられる環境が、「心の力」の育ちを大きく後押ししてくれます🌷
📘「非認知能力を家庭で育てる」参考文献
引用:東京大学大学院教育研究科付属|発達保育実践政策学センター
「非認知能力の育ちをささえる幼児教育」リーフレット


とてもわかりやすく、事例も豊富な資料です✨
よければぜひ読んでみてくださいね!
まとめ:焦らず、比べず、毎日の関わりが“心の力”を育てます

非認知能力とは、「自分を大切にする気持ち」や「人と関わる力」など、テストでは測れないけれど、人生を豊かに生きるための大切な力です。
非認知能力は、日々の声かけや遊びの中で、少しずつ育っていくもの。
だからこそ、焦らず、比べず、お子さんののペースで寄り添っていくことが大切です。

子どもの“心の力”って、こんなふうに育つんだな~
そう感じてもらえるきっかけになったら嬉しいです🌼

子どもが安心してのびのびと過ごせる環境を、一緒につくっていきたいですね♪
