梅雨が明けると、保育園ではいよいよ水遊び・プール遊びの季節がやってきますね。
子どもたちにとってはワクワクの時間ですが、保育士にとっては準備や安全管理、体調面の配慮などやることが盛りだくさん。
この記事では、年齢別の水遊びアイデア、準備と持ち物チェック、安全に楽しむための工夫、苦手な子への配慮のポイントまでまとめてご紹介します。
15年の保育現場経験をもとに、実際に役立ったヒントを集めましたので、「今年はどうしようかな」と悩んだときの参考にしていただけたら嬉しいです。
水遊び・プール遊びの準備物|チェックリストと保護者への伝え方

水遊びの日は、いつもの荷物に加えて水遊び用の持ち物が増えるため、忘れ物がないよう保護者への丁寧な案内が大切です。
園のルールに合わせて、事前におたよりやチェックリストを配布しておくと安心です。
基本の持ち物

出来る事なら、「ビニール袋」にも記名を!着替え中に何気なく落ちたり、どの袋が誰のか本当にわからなくなってしまいます。
事前案内で(保護者の方に)伝えておきたいこと
保護者の中には「湿疹が出ていることを、見落としていた」「気づかなかった」という方も多く、皮膚科受診後に“水遊びはNG”と知ることもあります。
保育園としての方針をあらかじめ伝え、「園での対応」も一緒に案内しておくと安心です。
3歳児の水遊びは“着替え”が山場!保育士の声かけと工夫がカギ

3歳児クラスになると活動の幅が広がる反面、着替えや準備にはまだまだ大人のサポートが欠かせません。
混乱してしまう子も多く、以下のような“つまずき”がよく見られます。
特に水遊びの初期は、未満児クラスやフリー保育士の協力を得て、「焦らずゆっくり」「声かけを具体的に」を心がけましょう。
3~4回経験すると、自信がついて少しずつスムーズに着替えられるようになります。

3才児は15人に1担任ですので、ベテラン保育士でもなかなか大変です。最初はみんなで協力してもらいましょうね。
保護者にも、初回の水遊び後の様子を丁寧に伝えると、家でも協力してもらいやすくなります。
💬 伝えたいポイント例▼
“困り”を伝えるときは、「子どもが頑張っている様子」「保育園でのサポート状況」も合わせてお伝えすると、保護者も安心し伝わりやすくなります。

「この水着(おしゃれすぎるもの)はお出かけ用にします~教えてもらえて良かったです」

「子どもがこんなに大きくなっているとは気づきませんでした💦」
など、快く気づいて対応してくれる方も多かったです。

伝え方、言葉選びは毎度悩むことですが、丁寧に向き合っていくことで「子ども達の困りの解消」になります。伝わる保護者には伝わりますので、頑張ってみて下さい。
未満児(0~2才)さんにおすすめの水遊びアイデア4選

0〜2歳の未満児さんは、まずは「水に慣れること」からスタート!
怖がりな子も多いので、無理なく・短時間で・楽しくがポイントです。
①タライでの水あそび
浅く水をはったタライに、ジョウロやカップを浮かべるだけでも楽しい時間に♪
②霧吹き・スポンジ遊び
スポンジに水を含ませて絞るだけでも、子どもたちは大喜び!手の力も育ち、感触遊びにもなります。色々な形があるので、「海の生き物」のスポンジを喜んでいましたよ♩
③プラコップ遊び
透明のプラコップ(100均でもOK)は、水が光に反射してキラキラ☆底に穴をあければ、簡単に「手作りじょうろ」になり、楽しかったです。
④シャワーのトンネル
霧吹き状にして、雨のように少量の水を降らせるのも子ども達も楽しそうでした!
天気のいい日には、虹がでることもあり大喜びでした♩

未満児さんの水遊び時間は、特に熱中症対策を意識し、遊ぶ時間に配慮して行ってくださいね。
以上児(3~5才)さんにおすすめの水遊びアイデア5選

3歳以上になると、遊び方もダイナミックに!
安全面に配慮しつつ、ルール性のある遊びやごっこ遊びを取り入れてみましょう。
①的あて水鉄砲
タオルやペットボトルに的をつけて「ねらってシュッ!」
的に当たると大歓声が上がります♪

まずは水鉄砲に水を準備することだけでも、既に楽しそうでした!3才のこにとっては、水を入れる事も難しいようでしたよ。
②おもちゃ探しゲーム
プールに沈めたおもちゃを探す遊び。
キラキラ素材(貝殻や宝石風おもちゃ)が特に人気でした!
③色水あそび × お店屋さんごっこ
絵具や食紅で、色水作りジュースに見立てて「いらっしゃいませ〜」
プール脇での展開も◎(※プールの水と混ざらないよう注意しましょう)

汚れても、濡れてもOK!思い切り色水遊びが出来るので楽しそうでしたよ。
④自然の色水あそび(朝顔など)
朝顔の花びらなどを使って色水作りも人気!
「濃い!」「うすい!」と色の変化に夢中になる子も。
※夏の時期にあわせて、朝顔栽培をすることも◎
⑤フラフープくぐり(水中)
顔に水がつけられるようになった子は、潜ってフラフープをくぐってみよう!
成長を感じられる楽しいチャレンジです♪
お友達と一緒の「水遊び」は、子ども達も大好き!!
子どもたちの様子を伝えた時には、

「お家では、顔に水がかかるのも嫌がるのに、こんなにたのしんでいるんですね~」
そんな声が聞けると、保育士としても嬉しいですよね。
水遊びが苦手な子への配慮も大切に

すべての子が水遊びを楽しめるとは限りません。
冷たさ・濡れることの不快感・水への不安、水着の感触が苦手で着替えられないなど、理由はさまざまです。
無理に参加させるのではなく、その子のペースに寄り添いましょう。
水遊びが苦手な子への配慮ポイントとアイデア5選
①まずは見学からスタート
「応援係」や「お手伝いさん」として関わることで、安心して参加できます。
②着替えに抵抗がある子は、服のままでもOK
無理に水着にせず、服のまま見学や観察するだけでも立派な参加です。
友だちの楽しむ姿を見て、少しずつ興味が芽生えることもありますよ。
③足や手だけ水に触れてみる
「ちょっとだけやってみようか?」と少しずつ距離を縮めるのがポイント。
④スポンジや霧吹きでの感触遊びから導入
怖さの少ない遊びを選んで、「たのしい」に繋げていきましょう。
少し慣れてきたら、シャワーのトンネルなども喜んでいましたよ♩
⑤砂場の延長としての水遊び
水をちょっと加えるだけで、いつもの遊びが特別に♪

敏感で「水着に着替えることが出来ない」など、子どもによって理由は様々です。子どもに合わせて、少しずつ楽しめると良いですね。
水に入っていない子は、熱中症リスクが高まることも。水遊び中も、見学の子はこまめな水分補給・短時間での室内移動を心がけましょう!
水遊びの注意点と安全対策

水遊びはとても楽しい活動ですが、その反面、事故やトラブルが起きやすい面もあります。
だからこそ「安全第一」を忘れずに取り組むことが大切です。
水遊びでの注意点・監視のポイント▼

保育歴15年の経験がありますが、年々、子ども達の出来ること・配慮しないといけない子が増えいます。
楽しい水遊びですが、普段よりもケガのリスクも高まるのが「水遊び」。園全体として、子ども達を見守っていけたら良いですね。
また、年々猛暑の日が増えています。水遊びでの監視、指導をする先生方も「熱中症にならないよう」ご自身の体調にも配慮してくださいね。
水遊び、プール遊び前に「お約束」を伝えよう

水遊び・プール遊びの前には、子どもたちにも「ルール=安心」であることを伝えましょう。
水遊び、プール遊びでのお約束
また、嫌な事があったら「やめようね」が自分から言える子は、それだけで大きな成長です!

以上児さんには「なぜダメなのか」も一緒に伝えてみてくださいね。自分たちで考える力や、安全への意識も育っていきますよ。
👀 視覚的に伝える工夫として、イラストや写真を活用するのも効果的です。

「ほいくえ」さんのイラストはとてもわかりやすいので、よければ活用してみてください。(公式:「ほいくえ」さん)
「からだの大切さ」も伝えるタイミング

水遊びの時期は、着替えの機会も増え、5歳前後から他の子の「からだ」への興味が芽生えてくることも。
そんなときは、「自分の体は大切なもの」であることを、わかりやすく、安心できる言葉で伝えていきましょう。
年長の担任をしていたとき、「お友達の体に興味がある」子がいて、どう伝えるべきか悩んだことがあります…そのときは、園全体での共通理解と、ご家庭への丁寧な共有を心がけました。
デリケートなテーマですが、子どもたちは大人のまっすぐな言葉をしっかりと受け止めてくれます。
一人で抱え込まず、園全体で一緒に取り組んでいけるといいですね。
こちらの絵本には、子どもに伝えたい「体の大切な事」がわかりやすく書かれています。
「からだの大事な事」「自分を守る方法」について丁寧に書かれています。
これから、家族でも海やプールに遊びに行くことが増えてきますね。その前に、是非親子で一度読んで欲しいと思っています。

子どもたちが「悲しい事に合わない、自分を守るため」にも、大切なことは伝えていきたいですね。
保育士さん必見!水遊び時の必須アイテム

水遊びの時間、保育士さんたちは「監視」と「安全管理」でとっても大忙し!
そして何よりも暑さとの闘いでもあります。
私自身が現場で「これがあってよかった!」と思ったアイテムをご紹介します。
暑い中での保育(監視、指導)は本当に過酷です。
体調を崩してしまっては、子どもたちを見守ることができません。
保育者自身のケアもどうか大切にしてくださいね。
▲水にぬらすだけで冷えるので、とても良かったです!
まとめ|楽しく安全に、水遊びの時間を

保育園での水遊び・プール遊びは、子どもたちにとって夏の大切な経験のひとつです。
年齢や個性に寄り添いながら、安全面にも気を配って、楽しい時間を一緒に作っていきましょう。
そして、水がちょっぴり苦手な子にも「やってみたい!」と思えるきっかけを温かいまなざしと丁寧な関わりで届けていけますように。

楽しい水遊び、プール遊びを楽しんでくださいね♩